
2007年10月26日
湖北のみち-10 姉川 ~ 長浜(ながはま)
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姉川(あねがわ)。古くはこの上流で、織田、徳川の連合軍と浅井、朝倉の連合軍が戦った 「姉川の合戦」 で、この川の名は有名である。
姉川の河口はさすがに広い。シラサギの白い大群とカワウの黒い大群が河口に何百羽と群がっていて壮観である。河口には餌になる魚が豊富にいるのだろう。高い橋の上から見下ろすとあちらこちらで盛んにキラキラと光を反射させて飛び跳ねている小魚が無数に見られる。
魚の群れと水鳥の大群と広々とした姉川の河口の雄大な眺めは琵琶湖一周の中でも圧巻であった。それ以来、何度もここを訪れているが、このときのような雄大な眺めには出くわさない。

水深が急に変わっているのか、姉川と琵琶湖とで水の色がはっきりと変って見える。姉川にはウがたくさんいる。
対岸は近江今津方面。
姉川大橋より姉川の上流方向を望む。
姉川は近江の河川の中では第一の流域面積を持つ大河で、福井県境の栃の木峠方面からの高時川、横山岳からの杉野川や金糞岳からの草野川等が合流し、ここ、ビワ町で琵琶湖に入る。
川の浅瀬にはシラサギがたくさんいる。この川にも簗 (ヤナ) が設けられていて、湖西、安曇(あど)川のカットリ簗に対してここの簗は、その形から行燈(あんどん)簗と呼ばれている。

雪化粧した伊吹山を見たくて長浜の町外れまで歩いてくる。幸い天気はよいので、市街を外れると広々とした雪景色が美しい。雄大な伊吹山のほぼ全景が望まれる開けた場所に来る。
伊吹山のこちら側の面は、石灰石採掘のため、山の形が変わるほど、かなり上の方まで大きく削られているが、それらもすっかり雪に覆われて目立たなくなっていて、白一色の堂々の山容に圧倒される。

倉庫の外壁であろうか。琵琶湖で活躍していた船が解体されて、その板を外壁の一部に再利用したものである。船の加工の跡がそのまま残されているのが、思いがけない模様となり、巧まざるデザインになっている。船の板を再利用する程、板は貴重であったのだろう。
船板塀は琵琶湖周辺では各地でよく見られるが、古い民家にはよく似合う。

長浜の町の中には、琵琶湖に繋がっている運河が縦横に巡らされている。その運河に面した側は通りの裏になるので通常は目につかないが、たまたま建物が無くて空地になっているところから対岸の蔵を覗き見ることが出来た。

朝、木之本から歩いてきて、ちょうど日が沈む頃長浜に着く。豊公園に近い湖岸から見た夕日。
湖西から見る朝日や月の出も美しいが、こちら側から見る湖西に沈む夕日もまた美しい。