2014年06月30日
海津の水辺景観
「近江水の宝」探訪で海津を訪ねるイベントに参加する。
海津・西浜・知内地区の水辺の景観は平成20年に、国の「重要文化的景観」として選定された。
このあたりは「琵琶湖逍遙」で何度も通ったところであるが、見慣れた風景のなかでも、地元のガイドの詳しい説明を聴くことによって、新しく発見することが多い。
1.海津集落波除け石積
海津は、江戸時代には西近江路(北国海道)の宿場町、港町として繁栄した。
海津集落の西浜には、高さ2.5m、長さ1.2km、水面のせまった北半分には、高さも西浜の石積よりも高い傾向の波除け石積みが見られ、独特の景観を作り出している。
西浜の石積が建造されたのは、江戸時代中期の元禄年間という記録が残されている。
2.辻子(ずし)
街道と琵琶湖をつなぐ、家と家の間に設けられた細い通路を辻子(ヅシ)という。街道から見ると、家と家に挟まれた、薄暗くて狭い通路の先に琵琶湖が輝いて見える。
同じような辻子は堅田の集落内でもたくさん見ることができる。
3.橋板
琵琶湖で洗い物をするための一人用の桟橋のようなもの。板尻にはロープやワイヤーが通してあり、浜の樹木や岩に結び付けて、波にさらわれないようにしてある。
琵琶湖周辺の集落では、あちらこちらでよく見られたものであるが、最近は滅多に見かけなくなった。琵琶湖の水が暮らしの一部であった頃の生活にはなくてはならないものであったと思われる。
海津では、この橋板をもっと増やそうという動きもあるという。
4.湧水(いけ)
湧水と書いて「イケ」と読む。海津は湧水も豊富で、「イケ」と呼ばれる共同の水場が、あちらこちらにあった。
野菜は「イケ」で洗い、洗濯は琵琶湖で行うなどの使い分けをするなど、水とともに生きる生活があった。そして、大切な水場は、湧水仲間(イケナカマ)によって管理、清掃が行われてきた。
5.海津漁業協同組合旧倉庫
海津漁港入口にある「海津漁業協同組合旧倉庫」は、昭和13年に建てられた二階建ての土蔵である。「重要文化的景観」の形成に重要な建物として重要景観構成要素となっている。昔の姿を残しながら、どういう風に改修するか思案中とのこと。
素朴な手書き文字で、大きく「海津漁協」と書かれた扉がよい。チョコレート色の扉は、一斗缶を利用した小さいブリキ板をモザイクタイル状に張り付けた鉄板張である。入口横の壁には、「海津鮎苗配給所」と書かれた看板も。
以前、この倉庫を会場として催された、福山聖子さんと地元の画家との二人展を観に来たことがあった。
6.「吉田屋のケヤキ」
石積の上にある大きなケヤキが、船で海津港に向かう際の目印になっていた。
ケヤキの大木のある敷地所有者の名前で呼ばれている。「吉田屋のケヤキ」、「金六ケヤキ」、「亀張ケヤキ」など。吉田屋は、清酒「竹生嶋」で有名な吉田酒造のこと。
海津・西浜・知内地区の水辺の景観は平成20年に、国の「重要文化的景観」として選定された。
このあたりは「琵琶湖逍遙」で何度も通ったところであるが、見慣れた風景のなかでも、地元のガイドの詳しい説明を聴くことによって、新しく発見することが多い。
海津の位置

海津は、江戸時代には西近江路(北国海道)の宿場町、港町として繁栄した。
海津集落の西浜には、高さ2.5m、長さ1.2km、水面のせまった北半分には、高さも西浜の石積よりも高い傾向の波除け石積みが見られ、独特の景観を作り出している。
西浜の石積が建造されたのは、江戸時代中期の元禄年間という記録が残されている。

街道と琵琶湖をつなぐ、家と家の間に設けられた細い通路を辻子(ヅシ)という。街道から見ると、家と家に挟まれた、薄暗くて狭い通路の先に琵琶湖が輝いて見える。
同じような辻子は堅田の集落内でもたくさん見ることができる。

琵琶湖で洗い物をするための一人用の桟橋のようなもの。板尻にはロープやワイヤーが通してあり、浜の樹木や岩に結び付けて、波にさらわれないようにしてある。
琵琶湖周辺の集落では、あちらこちらでよく見られたものであるが、最近は滅多に見かけなくなった。琵琶湖の水が暮らしの一部であった頃の生活にはなくてはならないものであったと思われる。
海津では、この橋板をもっと増やそうという動きもあるという。

湧水と書いて「イケ」と読む。海津は湧水も豊富で、「イケ」と呼ばれる共同の水場が、あちらこちらにあった。
野菜は「イケ」で洗い、洗濯は琵琶湖で行うなどの使い分けをするなど、水とともに生きる生活があった。そして、大切な水場は、湧水仲間(イケナカマ)によって管理、清掃が行われてきた。

海津漁港入口にある「海津漁業協同組合旧倉庫」は、昭和13年に建てられた二階建ての土蔵である。「重要文化的景観」の形成に重要な建物として重要景観構成要素となっている。昔の姿を残しながら、どういう風に改修するか思案中とのこと。
素朴な手書き文字で、大きく「海津漁協」と書かれた扉がよい。チョコレート色の扉は、一斗缶を利用した小さいブリキ板をモザイクタイル状に張り付けた鉄板張である。入口横の壁には、「海津鮎苗配給所」と書かれた看板も。
以前、この倉庫を会場として催された、福山聖子さんと地元の画家との二人展を観に来たことがあった。

石積の上にある大きなケヤキが、船で海津港に向かう際の目印になっていた。
ケヤキの大木のある敷地所有者の名前で呼ばれている。「吉田屋のケヤキ」、「金六ケヤキ」、「亀張ケヤキ」など。吉田屋は、清酒「竹生嶋」で有名な吉田酒造のこと。
琵琶湖逍遙 マキノ~永原 2014.3.28
雨の堅田
琵琶湖逍遙 近江今津~マキノ 2013.09.05
琵琶湖逍遙 比良~近江高島 2013.05.31
琵琶湖逍遙 近江高島~近江今津 2012.11.19
琵琶湖逍遙 堅田~比良 2012.10.10
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琵琶湖逍遙 近江高島~近江今津 2012.11.19
琵琶湖逍遙 堅田~比良 2012.10.10
Posted by ミッチー at 08:27│Comments(2)
│湖西
この記事へのコメント
やっぱり海津はいいですね!
湧水は何度もスケッチしようと思いつつ、後回しになっています。
橋板ですが、名前が書いてあるのを見たことがあります。
この日は波が荒かったみたいですね。
いつもステキなPhotoで、愉しみです♪
湧水は何度もスケッチしようと思いつつ、後回しになっています。
橋板ですが、名前が書いてあるのを見たことがあります。
この日は波が荒かったみたいですね。
いつもステキなPhotoで、愉しみです♪
Posted by sho惑星 at 2014年07月03日 16:42
sho惑星 さま
たびたび訪れる場所について、専門のガイドの説明がきける機会を見つけては、イベントに参加してきましたが、最近は皆さんのペースについて行けなくなりました。やはり、ひとりでマイペースで歩くことしかできないなと思うようになりました。
海津の湧水(イケ)もなくなる前にぜひ描いておいてください。
たびたび訪れる場所について、専門のガイドの説明がきける機会を見つけては、イベントに参加してきましたが、最近は皆さんのペースについて行けなくなりました。やはり、ひとりでマイペースで歩くことしかできないなと思うようになりました。
海津の湧水(イケ)もなくなる前にぜひ描いておいてください。
Posted by ミッチー
at 2014年07月04日 10:32
