
2008年10月22日
11周目-7 木之本~永原 (2008.10.21)
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賤ヶ岳の麓にある大音と隣りの西山地区は昔から蚕の糸から作る琴、三味線の弦の製産で有名なところである。
大音の集落内で「糸とり工場」という看板を見かけたので、近くにいたおじいさんに話をきく。
「最盛期にはこの集落で糸とりをやっている家は70軒もあったが、今はここ1軒だけになってしまった。わしもやっていたが、この頃はナイロン弦に変わってしまい、師匠等が必要とする分だけを作っている。」 とのこと。

大音から旧道を上ってきて賤ヶ岳隋道を通り抜けたところ。
高い位置から見下ろす奥琵琶湖の静かな景色の中で、風に揺れるすすきが美しい。

天気が良すぎて琵琶湖の方向は完全な逆光になり、竹生島もかすかに見える程度。

余呉川の改修工事で発生した土砂を埋め立てて出来た広大な埋立地である。塩津湾に面していた小さい入江が完全に埋め立てられてしまった。正面に見える山との間に塩津湾がある。国道8号線は埋め立てる前の湾に沿って付けられていたが、湾が埋め立てられた今もそのままぐるっと山裾を回っている。

近江塩津は、北陸から峠越えで運ばれてきた物資をここから琵琶湖を利用して大津までの船運で栄えた村である。今でも昔の海道の面影が色濃く残っている。
集落のはずれにある大きな石灯篭には、右から「海道繁栄」と大きな字が刻まれている。

近江塩津の集落内にかつて造り酒屋だったという築200年の建物が残っている。この家の前の道路に、昔の村の道路元標を示す金属鋲があり、隣接する農協の前庭にはその元になる「伊香郡塩津村道路元標」と刻まれた石柱が無造作に転がしてある。集落内の所々には「塩津海道」と記した新しい石柱は見られるが、このように歴史的に価値のある昔の標柱も大事に扱って欲しいと思う。

刈り入れの終わった田んぼの向こうにこんもりと盛り上がった山本山(324m)が望まれる。この辺りが琵琶湖の最北端部になる。

奥琵琶湖パークウェイの旧道湖北隋道入口との分岐点。
ここから見下ろす塩津湾の眺めはぼくのお気に入りのスポット。いつものことながら、ついここでシャッターを何回も押してしまう。小さな入江に規則正しく並んでいるのは魚礁であろう。
ここはウィンドサーフィンにとって格好の場所であるらしく、いつ来ても、向かいの少し広くなっている湖岸を基地にしていくつものウィンドサーフィンがこの湾を横断してさかんに行ったりきたりしている。方向を変えるときの「バシッ」という帆の音がここまでよく聞こえてくる。