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2008年03月02日

ヴォーリズの教会

ヴォーリズの教会 ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展を観てきました。ヴォーリズが建築活動を始めて100年になるのを記念して、滋賀県立近代美術館で3月30日まで開催中です。
 ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880~1964)は、伝道師として、また現在の近江八幡商業高等学校の英語教師として1905年に来日しました。ヴォーリズは近江八幡を拠点に建築事務所や現在の近江兄弟社を設立し、実業家として活躍する一方、伝道活動とともに医療、出版、教育などの活動を展開しました。
 1941年には日本国籍を得て一柳米来留(ひとつやなぎ・めれる)と改名し、1958年には近江八幡市名誉市民第1号となりました。
 琵琶湖畔を巡る伝道には、友人から寄贈された「ガリラヤ丸」という船を使い、大津、堅田、近江今津を始め、湖畔各地のキリスト教会館の建設を展開していきました。最近、建て替え問題で話題になった豊郷小学校がヴォーリズ設計の建物として一躍有名になりました。
 ヴォーリズは、教会堂、ミッションスクール、住宅、商業ビルなど1000棟を超える建築を設計していますが、ヴォーリズの設計した建築は実用に沿いながら意匠に優れ、ときに簡素でありながら、風格が感じられます。キリスト教伝道者としての使命と理念にもとづき、合理性と簡素さを目指しつつ、日本の風土となじんだ親しみやすく清明な様式を備えています。ヴォーリズの建築が時代を超え、地域や国境を越えて親しまれてきたのは,その特徴ゆえといえるでしょう。



ヴォーリズの教会 日本基督教団今津教会(1929年)

 スパニッシュ・ミッション様式を思わせる白い大きな妻壁に赤レンガの門構えが映える。国の登録有形文化財。



ヴォーリズの教会 日本基督教団堅田教会、堅田基督会館(1930年) 

 トンガリ屋根の角塔を設けた個性的外観が特徴。





ヴォーリズの教会 日本基督教団大津教会 愛光幼稚園(1925年)

 教会堂と幼稚園の融合した建築。



ヴォーリズの教会 豊郷小学校(1935年)

 鉄筋コンクリート造2階、一部3階建て。本館正面に前庭を設け、その左右に講堂と図書館が配置されている。アプローチの両側は実習用の田畑地、果樹園として計画されている。運動用トラックを中心にして、バレーコート、バスケットコート、テニスコート、相撲場などのフィールドのほか、体育館、プールが整然と計画されていた。1万5000坪に及ぶ校地をもつ、理想的な小学校として名を馳せたものであった。土地を含めてこれらすべてが、郷土出身の実業家の寄付というのも驚きである。


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Posted by ミッチー at 11:47│Comments(0)ヴォーリズ建築
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